司法書士の見積書の書き方

国家資格である司法書士は、司法書士法に基づき、登記または供託に関する書類の作成・提出代行、裁判所、検察庁や法務局に届ける書類などの作成・提出代行、審査請求の手続代行、簡裁訴訟代理等関係業務を行う法律関連の手続きに関する専門家です。個人事務所を構えている司法書士は、サービスの提供前に見積書を発行して、お客様の合意を得てから正式契約を結びます。ここでは、司法書士が発行する見積書の書き方をご紹介します。

参考サイト:法務省「司法書士の業務」

司法書士が見積書を書くケース

司法書士は、司法書士試験に合格した後、全国にある司法書士会のいずれかに登録して、必要とされる研修を受けることで、業務ができるようになります。また、以下の条件に当てはまる場合、法務大臣に対し資格認定を求めることができます。
1.裁判所事務官、裁判所書記官、法務事務官、検察事務官として登記や供託、訴訟の事務などの法律的事務経験を自己責任で判断する地位についてから10年以上経験を積んだ場合
2.簡易裁判所判事または副検事の職を通算5年以上積んだ場合

働き方としては、司法書士事務所や弁護士事務所に入所するというケースと、企業に就職する場合、業務経験を積んだ後に独立して個人事業主として事務所を開業する場合などもあります。
仕事内容は、司法書士法に基づき、登記または供託に関する書類の作成・提出代行、裁判所、検察庁や法務局に届ける書類などの作成・提出代行、審査請求の手続代行、簡裁訴訟代理等関係業務を行います。ただし、簡裁訴訟代理等関係業務に関しては、必要な能力があると法務大臣が認定した司法書士に限り対応可能です。

個人事業主の司法書士は、お客様に対して事前にサービス内容と費用を明示するために、見積書を発行することになります。見積書をきちんと作成しないと、正式な発注につながらなかったり、支払いの段階でトラブルが発生したりするという状況になりかねません。正確で分かりやすい見積書のタイムリーな発行は、ビジネスで成功するための大切なポイントです。また、サービスを納品する際の重要な証拠として、見積書のコピーは大切に保管・整理しておきましょう。

司法書士の見積書とは?

見積書は、正式な発注を受ける前に、仕事の請負側(司法書士)が依頼側に作業内容と各作業・必要経費を明示するために発行する書類です。見積書を作成して依頼側と作業範囲、支払条件を明確にします。見積書の内容を元に、条件などの交渉をしてから依頼側は発注書を発行し、契約書で受発注内容を確定させます。

見積書の発行は、正式な契約前にお互いの認識に齟齬がないことを確認するとともに、依頼側は正式発注をするかどうかの判断材料としても使用します。仕事の依頼側から作業内容をヒアリングし請負側は見積書を作成して、金額面やスケジュール調整なども行います。

見積書は、必ず発行しなければならない書類ではありません。しかし、支払時のトラブルを避け、必要十分な作業について受発注側が認識合わせをするためにも、発行をしておきたい書類です。見積書で合意を取ることで、安心して仕事が進められます。

司法書士の見積項目

見積書は、見積依頼を受けたサービスの代金やスケジュールなどをお客様側に伝えるために発行するものです。お客様にサービスの内容と代金、納品スケジュールを明示し、さらには、納品時に見積書通りのサービスが提供されいてることを確認する役割もあります。

お客様にサービスを提供する際には、「どれだけの期間が必要でいくら料金がかかるのか」「料金には消費税を含むかどうか」についても明確に伝えることが必要です。司法書士の見積項目には、以下のようなものがあげられます。
書類作成料、登記情報閲覧、紛争解決手続きのあっせん・代理、交通費、宿泊費、登記手続きに際してかかる手数料や税金の実費などです。交通費や宿泊費など別途実費で請求する費用については、事前に発注側と認識を合わせて見積書に盛り込んでください。

見積書は、お客様から見積依頼を受けたタイミングで発行します。消費税の有無や源泉徴収関連、納品日と入金日も見積書で明確に示しましょう。見積書には納品日も含まれるため、見積書自体の有効期限も明示し、一定期間を経た後は再見積が必要であることも記載します。

司法書士が作成する見積書の書き方

見積書のフォーマットや内容、書き方に厳格な決まりはありませんが、確実に見積内容を理解し、正式契約をしてもらうためにも、内容が明確で分かりやすいことが必要です。

まず、見積書の一番上に「見積書」と記します。また、見積書の発行日や支払方法、入金日などについては、見積書を作成する前に提出先に確認をとっておけばトラブルが少ないでしょう。
では、見積書の書き方を順番に見ていきましょう。

(1)宛先には、見積書を提出するお客様の氏名と住所を書きます。また、不備や誤字のないように前もって確認するようにしてください。

(2)見積した側の社名や店名、住所が入ります。見積書を管理しやすいように、見積書番号を加えます。また、一定の期間の見積代金をまとめて見積する場合、見積書に1-1、1-2、1-3のように枝番号を付けると複数の見積書をまとめやすくなります。そして、サービスの納品日と支払期限を分かりやすく書きましょう。

(3)今回の案件で提供するサービスと、そのサービスに関連して必要となる経費について、その単価、数量を記入します。数量とは、回数として記載する場合もあります。

(4)単価×数量の小計
例としては、所有権移転(相続)報酬、所有権移転(相続)登録免許税などの項目があります。具体的には、所有権移転(相続)報酬 50,000円、所有権移転(相続)登録免許税 12,000円などの内容が挙げられます。

(5)消費税

(6)小計と消費税額を足した合計金額

(7)内訳には軽減税率の対象とならない品目(10%)と対象となる品目(8%)の小計を分けて記載し、それぞれの消費税額を明らかにします。

(8)見積の有効期限と前提条件を記入します。有効期限は、取引先が意思決定を下すプロセスを適度に促す期間となるよう、長すぎず短すぎないよう設定しましょう。前提条件は、見積した時点と状況が変わって実際の金額に誤差が生じる可能性がある場合に記載しておくことで、トラブルを未然に防止します。

(9)備考欄にお客様に対する日頃の感謝の言葉を添えると喜ばれます。

まとめ

司法書士にとって、見積書はどのようなサービスをいくらで提供するかをお客様に明示する非常に大切な書類です。作業範囲の認識をしっかりとすり合わせ、お客様との良好な関係を維持するには、コミュニケーションと正式契約に向けた細かい気配りが重要となります。確実に契約してもらうためにも、記入漏れのない、配慮のある見積書の書き方を意識しましょう。

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