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請求書の書き方から送り方までを完全網羅!パーフェクトガイド【Q&A付き】

請求書の書き方・出し方・受け取り方を完全解説

独立してフリーランスになったり、起業した時に最も重要になる書類のひとつに請求書があります。もしも、請求書を正しく作成することができなければ、報酬を受け取ることができません。

今回は、この請求書について知っておくべき書き方の基本から、トラブルを防ぐために役立つ豆知識まであらゆる範囲を解説します。請求書の書き方や作成、送り方で悩んだら、一度確認してみてください。

目次

1.請求書とは
2.請求書と他の書類の違い
3.請求書の書き方【請求書を作成する時に必ず必要な5項目】
4.請求書の書き方【請求書を作成する時に入れておくと役立つ5項目】
5.請求書の送付時にすること・すべきこと
6.請求書の書き方・送り方に関するQ&A
7.請求書の発送漏れをなくすために回収予定表を作ろう
8.入金された(支払いを受けた)時にすること・すべきこと
9.請求書を受領時にすること・すべきこと
10.請求書の受領時に関連するQ&A
11.入金した(支払いをした)時にすること・すべきこと
12.特殊な請求方法の解説
13.トラブルケース【請求書送付側】
14.トラブルケース【請求書受領側】
15.まとめ

1.請求書とは

1-1.請求書の役割

請求書とは、販売した商品や提供したサービスの対価を請求する時に出す文書のことです。販売した商品の種類や個数、サービスの内容などに加え、支払いの期限や振込先などを記載します。

今回は、この請求書に関係する業務の全てを解説します

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2.請求書と他の書類の違い

2-1.請求書と見積書との違い

見積書とは、契約の申込みをしてもらうための参考資料です。契約前の書類となるため法的な効力を持つものではありませんが、口頭ではなく書面にすることによって、契約に向けた双方の信頼関係を構築する手段となります。

また、見積書には有効期限を付すのが一般的です。原材料単価や消費税率が、見積書を提示した時と契約時とで変わる可能性があるためです。

見積書も請求書も、契約そのものに直接関与しない書類となります。

見積書は契約締結前の書類、請求書は契約締結後の債権管理のための書類となります。

2-2.契約書との違い

契約書とは、契約に関して法的な効力を持つ書類です。

契約には売買契約や賃貸借契約などがありますが、フリーランスの方は請負契約や委任契約である役務(サービス)を提供する契約がメインとなる場合があります。

請負契約で絶対に果たさなければならないことは、仕事を完成させることです。仕事を完成させることができなければ契約違反、つまり契約不履行となります。

契約不履行となった場合の相手側がとり得る手段として強制履行や損害賠償請求があります。損害賠償請求を求められた場合、原則として金銭によって賠償することになります。

2-3.請求書と発注書との違い

発注書とは契約成立のための「申込み」を書面にしたもので、注文書とも呼ばれています。売買契約、賃貸借契約、請負契約、雇用契約といったすべての契約には成立条件があります。

契約における成立条件の要素は「申込み」と「承諾」です。「申込み」と「承諾」の意思表示がお互いに一致したときに初めて契約が成立します。

ですから発注書や注文書をクライアントに送付または提出しただけでは、法的に契約が成立したことになりません。先方からの承諾が伴って契約成立となるのです。先方である売主やクライアントからの承諾となる書類には、注文請書契約書があります。


商法第509条
1.商人が平常取引をする者からその営業の部類に属する契約の申込みを受けたときは、遅滞なく、契約の申込みに対する諾否の通知を発しなければならない。
2.商人が前項の通知を発することを怠ったときは、その商人は、同項の契約の申込みを承諾したものとみなす。

ただし、上記の商法第509条に定められているとおり、普段から取引をしている相手から契約の申し込みがあった際、返事をしなかった場合、みなし承諾となってしまうことが定められています。法的にもビジネスマナーの観点からも、取引先との迅速な連絡を心がけましょう。

2-4.請求書と納品書との違い

請負契約は役務型(サービス提供型)契約ですが、成果物を注文者(クライアント)に引き渡すことによって仕事を完成させる義務を果たすことになります。その当該成果物を相手側に引き渡す際に一緒に付する書類が納品書となります。

注文者に引き渡した成果物はその後、検収されます。民法上では引き渡した時点で注文者は請負者に報酬を支払う義務が発生しますが、検収確認後に報酬が支払われるのが一般的です。

納品書や請求書、領収書は契約に直接関与する書類ではなく、契約に付随する書類となる点で共通しています。

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3.請求書の書き方【請求書を作成する時に必ず必要な5項目】

請求書の書き方【請求書を作成する時に必ず必要な5項目】

請求書を作成するためには必ず書かなければならない項目と、必要に応じて加えた方がいい項目があります。最初に、必ず入れるべき5つの項目の書き方を解説します。

【請求書の見本】
請求書の見本
作成:請求書作成ソフト「MFクラウド請求書」

3-1.請求者の名前

請求者の名前

当然のことながら、請求書を作成した者の氏名や名称が必要です。

また、この部分に社判や、担当者もしくはその上司の印鑑を押す場合もあります。企業の場合、一般的には社判を含め事業者名が印刷されている場合があります。

3-2.取引年月日

取引年月日

いつの取引なのかわかるようにしておくことも必要です。年表記については、西暦でも和暦でも構いません。書き方は取引先の書式に合わせて表記することが一般的に好ましいとされています。

後になって請求書の内容を確認する時にすぐ見つけられるよう、年表記を忘れないように入れておきましょう。

3-3.取引内容

取引内容

請求書であるため、請求内容も必須の項目です。書き方としてはどの商品を何個取引したのかわかるようにしておきましょう。具体的には、品目(商品名)、単価、数量、合計の4項目を記載しておくとわかりやすい請求書を作成することができます。

3-4.取引金額

取引金額

必ず請求する金額の合計も記載しましょう。

金額には合計と小計、消費税の金額を分けて記載しておくと取引先にとっても、支払いの内訳がわかりやすくなります。

3-4-1.消費税に注意

社会保険医療などの取引は消費税が課されません。この様に消費税が課されない取引もありますので、その場合の請求書の書き方には注意しましょう。

▼さらに詳しく知りたい方はこちら▼
MFクラウド公式ブログ
「消費税の課税事業者の条件と提出書類まとめ」

3-4-2.源泉徴収に注意

原稿料や講演料、弁護士や税理士への支払など、請求書の内容によっては源泉徴収の対象になることもありますので注意が必要です。

3-5.請求書の交付を受ける事業者名

請求書の交付を受ける事業者名

請求者の名前を書いたように、請求書の交付を受ける事業者名も必ず記載する必要があります。特に請求書の発行業務は一時期に集中しやすいので、万が一送付ミスがあったとしてもすぐに気がつくことができるようにする必要があります。

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4.請求書の書き方【請求書を作成する時に入れておくと役立つ5項目】

先ほど紹介した5項目は請求書には必ず含まなければならないと法律で定められているものです。しかし、実際の請求書発行業務では、先ほどの5つに加え、よりスムーズな取引や、ミスを減らすために入れておくと役立つ項目があります。ここでは、そんな必ず入れる必要があるわけではないが、あると便利な5項目の書き方を紹介します。

4-1.タイトル

タイトル

請求書のタイトルはひと目で請求書とわかるものをつけるようにしましょう。レイアウトが見積書や、納品書と似てしまうため、ひと目で違いがわかるようにしておくことで事務処理のミスを減らすことができます。

4-2.請求書番号

請求書番号

請求書に関する問い合わせがあった際に確認がスムーズに行えるようにするため、請求書番号があると便利です。一度の請求で、請求書が複数枚になる場合でも、1枚毎に固有の番号を振っておくと確認がスムーズに進みます。

4-3.振込の期限

振込の期限

振り込まれたかどうかを確認するために、契約の際に定めた振込期限を記載しておくようにしましょう。振込期限を過ぎた場合には延滞利息などを課すケースもあるので明記しておくことでトラブルを避ける事ができます。

4-4.振込先の口座

振込先の口座

振り込んでもらう口座を記載しましょう。複数の口座を記載して請求先に選んでもらう形をとっても構いません。銀行名と支店名に加え、銀行コードと支店コードを記載しておくと丁寧な請求書になります。

4-5.振込手数料の負担する側

振込手数料の負担する側

振込手数料をどちらが負担するかも明記しておくようにしましょう。契約の段階で振込手数料をどちらが負担するかを取り決めておくことで、トラブルを避ける事ができます。

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5.請求書の送付時にすること・すべきこと

請求書の送付時にすること・すべきこと

5-1.請求書を送る時は郵送方法に注意

請求書を送る際はメール便を使わないように注意しましょう。

メール便で請求書などの信書を送付してしまうと違法行為になってしまうためです。普通郵便で送る分には問題ありませんので注意しましょう。

▼さらに詳しく知りたい方はこちら▼
請求書の送り方

5-2.請求書以外の書類を送る場合

請求書を送る際に、請求書の他に請求明細書を封入することもできます

請求明細書を併せて送ることで、例えば派遣業の場合に何日に何時間働き、残業は何時間だったのかなど、請求書に書ききれなかった情報を伝えることができます。

5-3.請求書に捺印する

請求書を発行したら印鑑を押すようにしましょう。先ほどの必ず必要な項目に印鑑はありませんが、取引先によっては印鑑があることを重視している場合もあります。最近では電子印鑑を代用する場合もあり、自身の状況と取引先に合わせて使い分けるといいでしょう。

請求書に捺印する印鑑は、捺印することによってプリンターで出力した請求書であっても原本であることを証明することができる他、受領した担当者が安心して振り込むことができるなど、信用に値する取引先であることをアピールする材料となりますが、あってもなくても法的には問題ありません。

取引先に確認が必要ですが、積極的に電子印鑑の活用すると捺印の手間が省けます

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6.請求書の書き方・送り方に関するQ&A

請求書の書き方・送り方に関するQ&A

6-1.明確に決まっていない請求書の請求年月日の書き方

「4月上旬に支払う」などといった契約の場合、請求書の日付はいつにすればいいのでしょうか。

請負契約では特約がない限り仕事の成果物や完成物の引渡しと同時に報酬を受け取ることになっています。そのため、引渡し以前の日付の請求書は無効となることがあります。

原則として納品後検収確認をしてもらい請求手続きとなるため、書き方としては請求書発行日=請求年月日にすれば問題ありません。

しかし、先方の経理処理手続きを考慮せずに請求日を設定すると、入金が予想以上に遅くなることがあります。たとえば請求月以降翌月20日払いとしている企業へ請求書を送付した場合、請求日が3/31であれば4/20に入金してもらえたとしても、請求日を4/1にしてしまうと入金日が5/20になってしまう場合もあります。

1日ずれただけでも入金日が1ヶ月が変わってしまうことで、入金予定が大幅に変更される可能性もあります。必ず設定した請求日だと入金予定がいつになるかを先方に確認しておくとよいでしょう。

6-2.FAXやPDFで送付した請求書は認められるかどうか

請求書は慣習的に原本を送付または手渡しすることが多いですが、先方の事務手続き上「郵送では間に合わないからデータですぐに送ってほしい」と依頼されることもあります。その場合ひとまずFAXで送付し、その後、原本を郵送すると丁寧な印象をあたえることができます。FAXで送付したとしても、先方と合意していれば問題ありません。

それでは、PDFの場合はどうでしょうか。まずは国税庁の見解を見てみましょう。

インターネットを通じて取引を行った場合には、請求書等に記載されるべき法定事項が通信回線を介してコンピュータ間で電子データとして交換されるため、請求書等そのものが作成・交付されないこととなり、当該電子データ以外の保存が行えない状況となりますが、これは、請求書等の交付を受けなかったことにつきやむを得ない理由がある場合に該当するものと考えられます(基通11-6-3(5))。
 したがって、帳簿に記載すべき事項に加えて、インターネットを通じた取引による課税仕入れであること及び課税仕入れの相手方の住所又は所在地を記載して保存する場合には、仕入税額控除の適用を受けることができます。

参照:インターネットを通じて取引を行った場合の仕入税額控除の適用について

つまり、PDFなどの電子データで受け取った場合も仕入税額控除の適用を受けることができます。PDFで発行した場合も取引先との合意があれば問題ありません。

6-3.相手企業の名前の後に付ける敬称の種類はどれを使えばいいか

会社名、部署名、担当者の順に記載します。営業担当者ではなく経理部へ直接送付する場合、「会社名 経理部御中」でも間違いありませんが、「会社名 経理部 御担当者様」とすることでより丁寧な印象を与えることができます。

6-4.商品を送付してから請求書を送付するまでに開ける期間はどのくらいがいいか

請求書を発行するタイミングは請負契約の場合は原則として仕事の完成物の引渡し以降となります。

6-5.手書きの請求書でも大丈夫かどうか

請求書を手書きで作成することももちろん可能です。

請求書を手書きで作成することのメリットは、筆跡が残るため、本人が作成した証拠とすることができることです。また、PCの調子が悪かったり、プリンターのインクがなくなってしまったりして手書きで請求書を作成することを余儀なくされることもあります。

こうした予想外のトラブルに備えて、請求書をプリントアウトして保管しておくとスムーズに請求書を作成することができます。

6-6.小数点以下の消費税の金額の取り扱い方

販売した金額によっては、小数点以下の消費税が発生する場合があります。原則のルールは特にないので、事業者がどうするか決定することができます。

6-7.取引の締め日の決め方

締め日とは、取引の期間のことです。五十日(ごおとび)と呼ばれる、5日・10日・15日・20日・25日もしくは月末で定められることが多くあります。

締め日は契約等でいつにするか事前に決められていますので、取引ごとにいつになっているのか確認してから請求するようにしましょう。

企業の場合は契約をする前に稟議書を作成する場合もあります
企業の場合は稟議書(りんぎしょ)を作り、事前に上席者の決済を仰ぐ必要がある場合もあります。稟議書は起案書、立案書、決裁申請書などと呼ばれる場合もあります。

稟議書は会議を開くほどではないが、事前に決裁を仰ぐために担当者や関係者に知らせておくために作成する書類です。法律などで必ず必要と定められている書類ではありませんが、請求書をだれでも受け取って決裁できる状態にしておくことは危険です。

稟議書はいわば社内版の請求書のようなものです。会社の取引に関する重要な書類ですので、監査や税務調査の際にチェックを受ける可能性があります。他の重要書類と同様にしっかりと保管しておくようにしましょう。

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7.請求書の発送漏れをなくすために回収予定表を作ろう

取引の数が増えてきた場合は回収予定表を作るようにしましょう。回収予定表とは、どの資金がいつまでに、どこから振り込まれるのかが一覧できるような資料のことを指します。

回収予定表を作る際にはシンプルに

・請求書番号
・入金予定日
・入金社名
・入金方法

を一覧できるようにエクセルなどでまとめておきましょう。回収予定表は必ず作らなければならないものではありませんが、作成しておくと回収漏れを防ぐことができます。MFクラウド請求書を利用すると、送付した請求書が自動的に一覧になるため、回収予定表をつくる手間が省けます。

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8.入金された(支払いを受けた)時にすること・すべきこと

kakunin

請求書を発行し、入金されたからといって終わりではありません。最後までしっかりと入金された金額が正しいかどうかの確認をした上で、領収書の発行をしましょう。

8-1.入金を消し込みをする

入金されたことが確認できたら消し込みをしましょう。消し込みとは、入金が確認できた分のデータを消していくことで、売掛金が予定通りに回収できたかどうかを確認する作業を指します。

使用する会計ソフトや会計システム上の消込機能を使用することもできますが、消込機能がない場合は請求データをエクセルデータに出力し、加工することであなた専用の回収管理システムを作成することができます。

消込前のデータは、請求したデータと一致するはずです。請求したデータに対して、振込手数料を差し引かれて入金された場合、請求データと入金データに差額が生じますが、その差額は支払手数料として費用に計上するようにしましょう。

請求書ソフト「MFクラウド請求書」会計ソフト「MFクラウド会計」を合わせて利用すると、請求書ソフト側で入金処理をすると、連動して消込の仕訳を自動で会計ソフト側に作成します。

8-2.もしも不一致を発見してしまったら確認すべき2つのこと

支払業務は非常に重要です。細心の注意を払って間違いの起こらないようにすることが基本ですが、万が一金額の不一致が発生する可能性はゼロではありません。もしも、金額の不一致が発生したらすぐに先方の担当者に確認しましょう。

しかし、先方の担当者に連絡する前に、どこに不一致の原因があるのかを調べておくことで先方とスムーズな確認をすることができます。また、自社の事務的なミスや、勘違いである可能性もあります。先方に確認する前に、下記の2点を確認しておくようにしましょう。

8-2-1.数百円単位の不一致だった場合

不一致の金額が数百円単位であれば、送金手数料の負担の可能性があります。

銀行振込をする際、多くの場合手数料が発生します。よくある金額の不一致の勘違いとして、振込手数料を負担する側を勘違いしていた、というものがあります。これは契約をした段階で取り決められているはずですので書類を確認しましょう。

例えば、10,000円の売上代金を振り込む際に、送金手数料が630円だったとします。取引先が振込手数料を負担する場合はそのまま売掛金として仕分けて問題ありません。

一方、振り込まれる側が送金手数料を負担する場合は、手数料の630円を引いて下記の仕訳になります。

借方
預金 99,370円
手数料 630円
貸方
売掛金 10,000円

8-2-2.金額が大きく不一致であった場合

大幅に金額が異なった場合は、支払い条件の変更を疑ってみましょう。

全ての取引が同じ支払い条件であるとは限りません。また、前回が一括払いだったからといって今回も同じ支払い方法であるとは限りません。契約内容を確認する際には、支払い方法まで含めて確認するようにしましょう。

8-3.この2つが原因ではなかった場合は入金ミスが発生していた可能性を疑う

これら2つの原因を疑ってみても金額の不一致の理由が不明な場合は、社内の担当者を通じて取引先に確認するようにしましょう。

8-4.領収書を発行する

現金で受領したり、先方から依頼された場合は領収書を発行します。領収書は印紙税法の課税文書に該当するため、5万円以上の領収書には200円の収入印紙を貼付する必要があります。さらに、100万円を超えると金額が変わるので注意しましょう。
参照:金銭又は有価証券の受取書、領収書|国税庁

5万円未満の領収書に収入印紙は不要です。収入印紙が必要とならないように契約時の段階から金額を分割して請求する方法をとるなど、節税対策を講じることもできます。

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9.請求書を受領時にすること・すべきこと

請求書を受領したらすること

ここからは、請求書を受け取る側の作業について説明していきます。

9-1.受領した請求書を確認する

請求書を受領したらまず内容を確認しましょう。特に契約と金額が変わらないかや、支払い条件が違っていないかに注意しましょう。

また、請求書は受領したけれど、商品がまだ届いていない場合などは要注意です。悪質な場合はそのまま商品が届かないなどといった危険性があります。

しかし、意図せず何らかのアクシデントで商品を送ることができなくなっていた可能性もあります。請求書だけが届いたり、内容が違った場合にはすぐに担当者と連絡を取り確認するようにしましょう。

9-2.支払い

支払い方法にも様々ありますがここでは銀行口座を利用したもの、口座振替を利用したもの、分割払いの場合のパターンでそれぞれ注意すべき点について解説します。

9-2-1.銀行窓口で振り込む場合

銀行の窓口に通帳と印鑑、もしくは現金を持参して支払う方法です。

不明点などをすぐに窓口で相談することができるというメリットがあります。しかし、待ち時間が長かったり、現金10万円以上を振り込む場合には本人確認が必要というデメリットがあります。

また、実際に通帳や印鑑を持ち出すことで盗難や紛失するリスクもあります。窓口で支払う場合は、あらかじめ必要な書類に決裁者が押印したうえで持参するなどして可能な限りリスクを回避するようにしましょう。

9-2-2.ATMで振り込む場合

ATMでの振込はフリーランスや個人事業主にとって最も馴染みのある方法なのではないでしょうか。

注意点は現金による振込の場合、10万円以上は振り込むことができない点です。口座から振り込む場合にも一定額までの制限がある場合があるので事前に確認するようにしましょう。

9-2-3.ネットバンクの場合

EBやFBと呼ばれるインターネット上で振込を行う方法です。

銀行やATMに行く手間が省けるため効率よく支払いを行うことができます。一方で、データの作成者と承認者を別に設定するなどして、しっかりとセキュリティ対策を行う必要があります。

9-2-4.口座振込みをする場合

口座振込みをする場合には4つのポイントに注意しましょう。

手数料
自分の口座がある銀行と、振込先の銀行口座が異なる場合、手数料が高くなってしまう可能性があります。金額は銀行によって異なりますが、一般的に同じ銀行間の振込が最も手数料を低く抑えることができます。

銀行コードと支店コード
振込の際には銀行名と視点の他に、銀行コードと支店コードが必要になります。銀行コードは正式には統一金融機関コードと呼ばれます。金融機関に付与された4桁の数字で表されます。

支店コードは支店番号とも呼ばれ、各銀行がそれぞれの支店に割り振っている3桁の数字です。請求書に記載されている場合もありますが、不明な場合はネットで検索することもできます。

振込先名
口座の名義を1文字でも間違えてしまうと振込ができません。特に、ややこしい名前であったり英語表記の名義名の場合は注意しましょう。請求書を発行する時には読み仮名を添えておくと親切です。

株式会社はカ)や(カと表記される決まりがあります。例えば

会計株式会社=カイケイ(カ
株式会社会計=カ)カイケイ

という具合に表記されます。

振込手数料の負担
振込で支払う場合は手数料をどちらが負担するのか確認するようにしましょう。

当方負担と書いてある場合は、支払う側が振込手数料を負担します。つまり、請求書を受け取った側が負担します。そのため、請求された額と手数料を合計した金額が引き落とされます。

一方、先方負担と書いてある場合は請求書を送った側が支払います。実際に支払う際には先ほどとは逆に、請求された金額から振込手数料分の金額を引いて振り込みます。

当方負担:請求された金額+振込手数料
先方負担:請求された金額ー振込手数料

9-2-5.前払いをする場合

取引の種類によっては前払いを要求されることがあります。前払いとは、商品やサービスを提供される前に料金を支払うことを指します。

前払いをするのは例えば、高額な商品の作成を依頼した場合などです。材料の仕入れや、制作する間の人件費などの必要経費を請求される場合があります。
他には、弁護士などに仕事を依頼する際に着手金という形で前払いを要求される場合もあります。

前払いには、払う側にとっては商品が納品されないリスクとがありますが、受け取る側にとっては納品後に代金が支払われないリスクを回避することができます。事前の交渉を通じて、前払いが必要かどうかはしっかり確認しておくようにしましょう。

9-2-6.分割払いをする場合

代金の支払いを複数回に分けることを分割払いと呼びます。もしくは割賦(かっぷ)払いとも呼ばれます。

高額な資産を購入する場合などが、分割払いになる場合が多くあります。分割払いの場合には手数料が発生する可能性がある点に注意しましょう。

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10.請求書を受け取ったときのQ&A

請求書受け取った時のQA

10-1.振り込んだことを相手に伝えておきたい時にできること

入金確認後にすぐに発送してもらいたい商品がある場合など、入金した事実を証明する書類を相手に送付する必要がある場合の対処方法です。

入金したことを証明できる書類には、払込取扱票や社内振込システムの画面をキャプチャしたものなどが挙げられます。特に定められた書類があるわけではなく、客観的に見て振り込んだ事実がわかるものであれば、どのような書類でも問題ありません。

送付方法もFAXやPDFデータなど、双方が確実に受領できる方法を選択するようにしましょう。

10-2.請求書をスキャナーでスキャンして保管しても大丈夫かどうか

請求書はスキャナ保存対象書類となっているため、スキャナ取込データとして保管することができます。スキャナ保存しようとする場合は、3か月前までに「国税関係書類の電磁的記録によるスキャナ保存の承認申請書」を所轄の税務署長に提出する必要があります。

10-3.請求金額がゼロ円やマイナスのものが届いた時

請求金額がゼロ円の請求書が届いた場合、あなたには報酬や代金を支払う義務がないことを証明する書類となります。

もし手元に請求金額0円の請求書がなければ、未着の請求書がある可能性を残すことになります。0円の請求書を受領することで、権利義務の有無を明確にすることができます。

もしもマイナスの請求書が届いた場合は、取引先からあなたへ返金しなければならない代金が残っていることを意味します。

来月以降も継続した取引がある場合、次月以降の請求書にて相殺されるのが普通です。継続した取引がない場合は先方より返金手続きの連絡があるはずです。振込先口座情報は伝達ミスを防ぐため、メールや書面で連絡したほうがよいでしょう。

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11.入金した(支払いをした)時にすること・すべきこと

11-1.請求書を保管する

請求書は支払いが完了し不要になったとしても、すぐに破棄することはできません。請求書は所得税法または法人税法上、一定期間保存が必要な書類として定義されているからです。

これまでは7年間保管していれば問題ありませんでしたが、平成23年12月税制改正で青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越期間が9年とされたことに伴い、平成20年4月1日以後に終了した欠損金の生じた事業年度においては、帳簿書類の保存期間が9年間に延長されました。

まとめると、利益が出ている年は7年間、赤字の年は9年間です。また、個人事業主は確定申告の期限日から起算して5年が保管期間となります。消費税納税の義務がある場合は7年間保管する必要があります。

▼請求書の保存期間についてさらに詳しく知りたい方はこちら▼
請求書の保存期間はいつまで?

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12.特殊な請求方法の解説

通常の取引であれば単価×数量に消費税を加えるだけで合計金額を出すことができます。しかし、取引の中には割引をしていたり、過去の取引との兼ね合いで金額が変動する場合もあります。ここでは、3種類の特殊な請求方法について解説します。

12-1.クレーム時の割引

販売した商品に欠陥があったが致命的な欠陥ではなかった場合、返品するのではなく値引きをすることがあります。

しかし、販売価格から値引き分をそのまま減じてしまうと、見積もり時の金額とは異なるためトラブルの原因になってしまうことが考えられます。

そこで「割引」や「値引き」という項目を販売価格の下段に作成し▲表記でマイナスにすることによって、元の販売価格を残したまま割引処理をすることができます。

請求書に値引き表示を加えることで、取引の結果だけでなく、その経緯を記録することができます。

12-2.リベート制度

リベート(売上割戻)とは、大量に購入してくれた場合に値引きする処理です。

クレーム時の値引きと同じように、元の販売価格をそのまま残し、割戻分を▲表記で減じる方法が一般的です。

12-3.相殺

以前の取引で返品などにより取引先へ返金しなければならない残額がある場合、相殺という手段によって今回の請求金額を減額することがあります。

たとえば前回の取引で不良品の返品により5,000円分を返金してもらうことになっていたとします。

今回の取引で新たに10,000円分の注文をした場合、前回の▲5,000と相殺することによって請求金額が10,000円から5,000円に減額されることになります。

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13.トラブルケース【請求書送付側】

請求書8
最後に請求書に関係するトラブルの対処方法について解説します。この項目では請求書を送る側に発生する可能性があるトラブルに対する対処方法を解説します。

13-1.請求書を出し忘れていた(請求書の時効の解説)

請求漏れがあった場合、契約上請求できる正当な権利があれば、先方に理由を説明して支払いを依頼します。

代金を回収することができるという権利に対して、相手には支払いの義務が発生します。請求書を送付することで支払い義務を催促することになりますが、時効制度によって代金を回収できる権利が消滅してしまうことに注意しましょう。

商法第522条
商行為によって生じた債権は、この法律に別段の定めがある場合を除き、5年間行使しないときは、時効によって消滅する。ただし、他の法令に5年間より短い時効期間の定めがあるときは、その定めるところによる。

民法第173条
次に掲げる債権は、二年間行使しないときは、消滅する。
一  生産者、卸売商人又は小売商人が売却した産物又は商品の代価に係る債権
二  自己の技能を用い、注文を受けて、物を製作し又は自己の仕事場で他人のために仕事をすることを業とする者の仕事に関する債権
三  学芸又は技能の教育を行う者が生徒の教育、衣食又は寄宿の代価について有する債権

商法第522条にあるとおり、企業間の取引などの商事債権の時効は原則5年です。また、商品の売掛金などは民法第173条にあるとおり、2年になります。

締結した契約内容によっては最短で1年で消滅するものもあります。消滅時効を迎えてしまった権利は起算日にさかのぼるため、請求されていた側は支払う必要がなくなります。代金回収権利を消滅時効にしないためにも、早めに先方の担当者に連絡をしましょう。

また、時効が近い場合は内容証明郵便を送付することで、時効を延長することもできる場合があります。ただし、延長できる回数は1回だけですので注意しましょう。

13-2.請求金額を間違えた

請求書を発行した後に内容に不備が発覚した場合、投函前であればすぐに正しい請求書を送付することで対応できます。

もし、投函してしまっていた場合、相手が受領する前にすぐに連絡しましょう。先方がまだ振り込んでおらず、再発行の請求書にて応じてくれた場合、直ちにお詫び状と共に正しい金額の請求書を速達郵便で送付します。

請求金額を間違えるといったミスは信用を失うことに繋がりかねません。すべてにおいて迅速に対応する姿勢が重要となります。

13-3.請求金額を間違え多く請求してしまったのに振り込まれてしまった

請求書を発送し、間違えたことに気付かないまま相手が振り込んでしまった場合、次回の請求分と相殺することで対応することもできます。もし、継続した取引がなければ返金処理を行なうことになります。

13-4.消費税を含むかどうかがわからない

物販ではなく、業務の請負契約などのサービスを提供する取引であったとしても、有償で行なわれていれば、消費税を課して請求することができます。

13-5.分割払いにさせてほしいと言われた(請求方法を変えて欲しいと言われた)

請求方法の変更や一括払いを分割払いにするなど、契約書で締結した内容を変更することになるため、覚書を作成する必要があります。

特に金銭の支払いを変更する覚書は当事者当事者同士で交わすよりも、行政書士などに依頼して公正証書としたほうが法的な拘束力を高めることができます

公正証書作成代金なども支払方法を変更してきた相手側の負担とすべきですが、それらの点をすべて踏まえて先方が応じるのであれば、当方は変更を容認したことになります。

しかし、請求方法を依頼した側が覚書締結に応じないのであれば、変更を拒否することになり、支払いが滞った時点より債権回収手続きに着手することになります。

13-6.請求書を送った先が入金前に廃業してしまった

また、相手側の廃業その他理由によってこちらに振り込んでもらえない場合は、債権回収の手段をとるのが一般的です。

支払ってもらうべき権利を債権といいます。債権は消滅時効を迎えると無効となってしまいます。振込期限が記載されている請求書の場合は確定期限の定めのある債権となるため、期限到来時が起算点となります。期限の定めのない債権の場合は、債権成立時が消滅時効の起算点となり、債権の種類によって消滅時効年数は異なります。

当該債権を消滅時効としないために時効の中断の手続きをすることができます。請求書を再度送付しても時効を中断させることはできないので注意しましょう。時効の中断をするためには内容証明郵便を送付した上で、6か月以内に裁判所に訴えることで時効の経過を中断させ、消滅することを防ぐことができます。

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14.トラブルケース【請求書受領側】

請求書9
つづいて、請求書を受け取る側に発生する可能性があるトラブルの対処方法を解説します。

14-1.請求書を出し忘れていた(請求書の時効の解説)

確定申告後に支払い忘れの請求書が見つかった場合、まずは振込期限や請求日などの日付を確認しましょう。

既に確定申告をした年度期間外の日付であれば、その請求書は翌年度の確定申告時に使用する書類となるため問題ありません。

平成27年度申告の場合は平成26年1月1日から平成26年12月31日以外の日付であれば問題ないということになります。

しかし、既に確定申告をした年度期間内の日付の請求書は原則として昨年度中に支払わなければならなかったものとなりますが、確定申告のやり直しをする必要はありません
※企業や経営の存続に関するような額であれば修正の申告や更生の請求の手続きによって訂正する必要があります。

既に確定申告をした年度期間内の未払い請求書がある場合、まずは先方にまだ振り込んでいない請求書があることを連絡しましょう。こちらの都合で振込むことでかえって先方の迷惑になることも考えられるからです。

そのまま入金してくださいと指示されることもありますし、今月分と未払い分とを合算した請求書を先方にて再度作成し、新たな請求書をもって支払いを指示されることもあります。

14-2.振込日を間違えて振り込んでしまった

先方の経理処理の都合上、振込日を指定されることがあります。そのような依頼があったにも関わらず通常通りに入金してしまった場合、先方にすぐに連絡しましょう。

場合によっては一度返金手続きを行い、再度入金をする必要が出てくることも考えられます。

また入金確認後に契約手続きが履行される場合において振込日を過ぎてしまった場合、契約内容によってはキャンセル扱いとなっていることも考えられます。あわてて入金する前に、まずは先方に連絡をして契約が無効になっていないかどうか確認することが必要です。

14-3.振込日までに手元にお金がない

請求書を受領してから全額を支払うことができなった場合は、すぐに先方に連絡しましょう。振込期日までに支払える金額と、残金の入金予定日を伝えたうえで、分割にした請求書を送付してもらいましょう。

契約上納品後一括払いをしているにも関わらず、振込日までに振り込めるだけの資金がなく完全に支払うことができない場合、債務不履行のうち不完全履行に該当することになります。

不完全履行になった場合、追完することが可能であれば履行遅滞しているだけに過ぎず、後日不足分を支払うことで債務を完全に消滅させることができます。追完することが不可能である場合は履行不能となり、直ちに損害賠償請求されることもあります

法的な観点からすると不完全履行による履行遅滞に陥っている状態に他ならず、相手方から強制履行や損害賠償請求されてもおかしくない状況なのです。

14-4.振込先の相手が廃業してしまった

振込先が自己破産や廃業してしまい担当者と連絡がつかない場合や、請求書に記載されている振込口座に入金しようと思ったら口座が凍結されていた場合など、支払いたくても支払えない状態にあることを受領遅滞といいます。

受領遅滞に陥ってしまった場合にとるべき手段として供託という方法があります。

供託とは本来受領すべき相手以外に寄託することで、果たさなければならない債務を消滅させることができる手段のことを指します。原則として契約内容に応じた供託所に寄託することになりますが、オンライン供託システムを利用することによって、供託所を調べる手間や赴く時間を省くことができます。

参考:オンラインによる供託手続について|法務省

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15.まとめ

どんなにいい仕事をしても、適切に請求書を発行して売掛金を回収しなければただ働きになってしまいます。そのため、請求書の発行は非常に重要な業務になります。

取引の件数が少ない内は管理の手間もあまり大きくはありません。ですが、件数が増えてくると一気に請求金の回収などの管理コストは増大します。そんな時にはぜひ、請求書管理ソフトを利用してみてください。

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