納品書の書き方パーフェクトガイド【Q&A16選付き】

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取り引きの際に必要となる書類の一つである納品書。この納品書はどういう役割を果たしていて、納品書の正しい書き方はどのようにすべきで、他の請求書や見積書、領収書、受領書のような書類とどのような違いがあるのか、ハッキリとご存知という方は意外と少ないのではないでしょうか?

納品書を簡単に説明すると、商品やサービスの受け渡しを行った際に、一緒に受け取り側に渡されることになる書類のことで、その取引に関する明細が記載されています。

それでは納品書に関する事柄を今回は、その法律面での位置づけ、発行する目的、書き方、発行手続きに関すること、さきほどご紹介したような他の書類との違いなどの面からご紹介します。

目次

1.納品書とは何か
2.納品書の書き方
3.納品書の発行手続き
4.納品業務に関するQ&A
5.まとめ

1.納品書とは何か

1-1.納品書の法律的な位置づけ

さきほどご紹介したように、商品やサービスの受け渡しを行った際に、一緒に受け取り側に渡されることになる書類である納品書。納品書の書き方について、記載事項としては納品書発行日、商品名、数量、単価、小計金額、合計金額、納品場所などが挙げられます。

商品が到着または納品された日をもって売上計上することになる到達基準を採用している場合、納品書を発行することで資産に関する所有権の移転や役務が完了したと扱われることになります。そのため、会計処理の際に売上計上に関わる重要な意味を持つ書類となります。

また、納品書は受領した立場にとっても、注文または購入した内容通りに納品されたかどうかを確認するための書類となります。ですので、仕入税額控除の適用を受ける際に、保存する義務が発生する書類の一つとして扱う必要があります。

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1-2.納品書を発行する目的

納品書は注文書通りに納品したことを証明するために発行しますが、所有権に変動があったことを公示するための書類ともなります。契約において対象となるものやサービスを引き渡すということは、所有権が移転するということを意味し、所有権変動の対抗要件となります。また、動産物権変動の公示方法としての引渡しを書類にしたものが納品書となるため、納品書に記載されている納品日や発行日は極めて重要な要素となってくるのです。

なお、ソフトウェア開発やサイト構築、またサービスの提供のような商品は有形ではなく無形のものですが、動産として取り扱うことになります。そのため、納品書は商品の引渡しが済んでいる、すなわち契約内容が完遂していることを相手方に通知する役割も果たしているのです。

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2.納品書の書き方

それでは納品書はどのような書き方をすることになるのでしょうか?今回は一般的な納品書に最低限必要な項目の書き方をご紹介します。

一般的に、タイトル、宛名、差出人名、通し番号、発行日、請求内容などを記載することが求められます。それぞれの項目について詳細な書き方をみていきたいと思います。

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2-1.タイトル

納品書タイトル
まず記載が必要になるのは、この書類が何の書類なのかということを表すためのタイトル。今回の場合は「納品書」と記載することになります。

また、その際に記載する位置としては一番上に記載するのが通常となっています。

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2-2.宛名

納品書宛名
次に記載しなければならないのが宛名。宛名は、会社名だけを記載するケースと担当者名まで記載することになるケースがあります。会社名のみを記載するケースが多いようですが、それぞれの取り引きの際に確認をする必要があります。

宛名の書き方について、会社名の場合には「御中」、担当者名には「様」の敬称をつけるのを忘れないで下さい。

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2-3.差出人の名前

納品書差出人
差出人の名前も宛な同様に記載する必要があります。差出人に記載する内容は、会社対会社の取り引きのときには会社名のみ、そうでない場合には担当者名まで記載します。

書き方について、基本的には宛名で記載したのと同じ内容を記載すれば問題ありません。なお、なにか確認事項があったときにすぐに連絡が取れるよう、会社の所在地や電話番号などの記載を忘れないように注意が必要となります。

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2-4.通し番号

納品書通し番号
納品書に通し番号をつけるのも忘れないようにしましょう。通し番号をつけることで、管理や整理をするのが簡単になります。通し番号の書き方のルールは自社にとって分かりやすいもので問題ありません。

また、見積書など他の書類と連動させて管理をすることで、トラブルが発生した時などにもすぐに関連書類を確認することができるようになります。

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2-5.発行日

納品書発行日
納品書には発行日も記載する必要があります。発行日を記載することで、通し番号と同様に管理や整理がしやすくなります。

また、発行日を記載しておくことで、管理がしやすくなるというのはもちろん、他にも「◯月◯日の納品書に関して」のような形で話をすることができるようになるため、相手方とのコミュニケーションコストが下がるなどのメリットがあります。

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2-6.納品内容の合計金額

納品書合計金額
納品内容の合計金額欄には、納品書全体の合計金額を記載することになります。

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2-7.納品内容の内訳

納品書納品内訳

2-7-1.品目名

納品内容の部分には、大きく分けて品目名、単価、個数、合計といった項目を記載することになります。内訳の書き方は、品目名、単価、個数、合計の順番で記載をすることが一般的となっています。

その中で品目名の欄には、提供するもの、サービスなどの項目名をそれぞれ記載していくことになります。このときに、相手方にとっても分かりやすいような表現で記載していくと親切かもしれません。

2-7-2.単価

次に記載するのが単価。品目ごとに一個あたりの金額を記載します。

単価の記載するのが難しいような品目の場合には、単価欄を空欄のままにしていても問題ありません。

2-7-3.個数

個数欄は、品目ごとに相手方に提供する数量を記載していきます。

個数欄も単価と同様で具体的な数量を記載するのが難しいケースがあると思います。その場合の書き方は、「1式」のような形で記載しても問題ありません。

2-7-4.合計

合計欄には、品目ごとに合計金額を記載していきます。ここに記載する金額は、品目ごとの単価×個数で算出される金額となります。

単価が空欄となっている場合の書き方としては、その品目を提供する合計金額だけを記載しても問題ありません。

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2-8.各項目の小計と合計金額

納品書小計
小計欄の書き方は、納品内容のところで算出された品目ごとの合計金額を合算した金額を記載することになります。

その小計欄の金額に消費税を合算した金額を合計金額欄に記載することになります。

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2-9.備考欄

納品書備考欄
備考欄には決まった書き方などはありません。振込手数料に関する事柄や確認や連絡が必要となった際の問い合わせ先、取引の締日のような必須事項ではないものの、あるとありがたい情報を記載しておくと喜ばれるかもしれません。

特に、記載すべき項目がない場合でも、「この度は弊社の商品をお求めいただき、ありがとうございました」のような簡単なメッセージを添えておくと、相手方に好印象をあたえることにつながります。

一手間加えるだけでできることなので、ぜひ実行したいですね。

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3.納品書の発行手続き

ここからは納品書を発行する際の手続きや、他の書類との区別の仕方について解説します。

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3-1.納品書を発行するタイミング

納品書を発行するタイミングは、原則として商品出荷のタイミングとなります。出荷した商品に納品書を同封することで、注文書や注文請書に記載されている内容と納品書および納品物に相違がないかを確認することができます。

また、これから入金してもらう予定であれば請求書兼納品書とし、既に入金が済んでいるのであれば領収書兼納品書とすることも可能です。

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3-2.納品書と他の書類の違い

ここでは、各書類と納品書が持っている役割の違いなどをご紹介します。今回違いを見る書類は領収書、見積書、請求書、受領書となります。

なお、これらの書類は、見積書、納品書、受領書、領収書、請求書の順番で用いることになります。

3-2-1.領収書との違い

領収書
納品書が売り上げた商品や提供したサービスそのものを相手に引渡すときに交付するものであるのに対し、領収書は金銭授受を証明するための書類となります。

発行するタイミングをみると、納品書は注文を受け、その商品を納品したときに発行するのに対し、領収書はその代金が入金されたときに発行する書類であるという点で異なります。

なお、納品日の日付は締め日や請求日のようなその後の回収管理業務のスケジュールにも影響を及ぼします。

3-2-2.見積書との違い

見積書
見積書が契約成立前に、その契約条件に関する参考材料とすることを主な目的にしているのに対して、納品書は取引成立後に納品や引渡しを行ったことを証明することを目的としている書類となります。

契約そのものに関しては、諾成契約であれば当事者双方の同意さえあれば契約を成立させることができるため、見積書や注文書はその同意の意思を書面にしたものということができます。

それに対して、納品書は、契約の目的そのものとなっている商品を引渡した事実を書面にしたものとなる点で異なります。

3-2-3.請求書との違い

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請求書が入金を要求するための書類であるのに対し、納品書は目的物の所有権を移転させたことに対して発行する書類となります。

売買契約において、入金確認後の商品発送となっている場合は、商品発送時にはすでに入金が済んでいる状態となるため、改めて請求書を発行する必要はありません。このように、すでに入金が済んでいる商品を納品する場合には、前述のように納品書を領収書兼納品書として使用することができます。

3-2-4.受領書との違い

売買契約においては売主の義務として、所有権や占有権を始めとする財産権を買主に移転させなければなりません。物品購入における財産権の移転は、物理的に契約の対象物を専有するための権利を移転させる事によって完了となります。

その引渡しの完了を書面にしたものが納品書であり、受領書は財産権がすべて買主に移転したことを売主に報じるための書類となります。売主のもとに納品書に対する受領書があることで、すべての財産権を完全に所有していない状態を証明することになります。

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4.納品業務に関するQ&A

書類

納品業務に関するQ&Aを、納品書を発行する側と受け取る側に分けて解説します。

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4-1.納品書を発行する側のQ&A

4-1-1.納品書を発行しなくても法律的に問題ないかどうか

領収書に関しては、請求に応じて発行しなければならないとする民法第486条の規定がありますが、納品書は発行しなかったとしても法律的には問題とはなりません。

しかし納品書は当事者以外の第三者が介入することになったときの重要な証拠書類となるため、トラブルを回避するためにも納品書の発行を要求されるケースも多いようです。

発行側のトラブル回避の手段として、あらかじめ納品書を発行しない旨を特約として規定することも可能です。特約として規定しておくことで発行義務を免れたとしても法的な責任に問われることはありませんが、納品書を発行しないことで、信頼や評価の低下など悪影響が発生することが考えられます。

4-1-2.角印を押す義務はあるかどうか

角印が押印されていない納品書でも有効と判断されるので問題はありません。ただ、偽造や改ざん防止のためや昔からの商慣習によって角印が押印するのが一般的となっています。相手方の業務規程によっては、押印されていない納品書は無効とみなされる場合もあります。

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なお、大半の企業では角印は会社の認印、丸印は会社の実印として登録されています。角印でも実印登録することはもちろん可能ですが、一般的な商慣習に従ったほうが取引をスムーズに行なうことができるようになります。

また建築関連の事業を行なっている場合には、注文者から定期的に印鑑証明書の提出を求められることがあります。契約金額が大きくなればなるほど、信用性を高めるための手続きが必要となってきます。

4-1-3.商品と納品書を別々の場所に送ることは問題ないかどうか

商品は倉庫に、納品書は事務所へ送付するなど、商品と納品書の送付先が別々になっても問題ありません。ただし、受け取り側としては、納品書に記載されている内容と、実際に納品された商品の内容が合致しているかどうかの確認ができなければ、納品書を受領する意味がなくなってしまいます。ですので、それぞれの会社の運用方法にもよりますが、できれば納品書と商品は一緒のところに送付するのが望ましいでしょう。

また送付するのが、贈り物など相手に金額を知られたくないようなものの場合には、金額欄をブランクにした商品名だけの納品書にするなどの措置をとることも可能です。ただ、納品書を発行するためのシステムによっては、すべて自動で処理されてしまい手動で修正をすることができないという場合もありますので、注意が必要となります。

このケースでは、納品書の送付先を別のところに変更するなどの形で対応するようにしましょう。

4-1-4.納品書の内容が間違っていた場合、最悪どのようなペナルティが発生するのか

実際には納品していないのに、納品書を作成するなどして売上の架空計上を行なった場合、詐欺罪や各種書類虚偽記載罪や虚偽提出罪などの形で刑事責任に問われることが考えられます。

また領収書は課税文書であり、印紙税を納付する必要があるため、納品書を請求書の代わりとしないようにしましょう。もし、納品書を領収書の代わりとして使用してしまうと脱税行為とみなされ、過怠税として本来納めるべき印紙税と2倍相当額を納付する必要が発生します。

たとえば2万円の収入印紙を貼付しなければならなかった場合、本来納付すべき2万円と2倍相当額の4万円を合わせた6万円を過怠税として納付することになります。

4-1-5.納品書をメール便で郵送しても問題ないかどうか

納品書はメール便で送付することができません。納品書は信書に当たるので、メール便で宅配便で送付することが禁止されています。納品書の他に信書に該当する書類として、領収書など請求に関する書類、免許書や認定書など許可に関する書類、印鑑証明書や納税証明書などの証明に関する書類などがあります。

ただ、信書であったとしても、商品を送付する上での従属とされる書類に関しては、郵便法第4条第3項の規定により同封することができます。貨物の送付目的や授受及び代金に関する通信文は、添え状や送り状として扱われることになるため、メール便で送付することも可能となります。

4-1-6.納品書をPDFなど電子媒体で発行しても問題ないかどうか

納品書を紙ではなく、PDFデータなどの電子媒体によって発行することも可能です。取引先によっては紙の納品書を希望することも電子納品書を希望することもあるため、どちらで発行しても問題ありません。

企業が作成する文書の中で、電子保管しても大丈夫かどうかを定めているのが、「e-文書法」と呼ばれる法律となります。内閣官房IT担当室や経済産業省が推進しているものです。

また納品書が国税関係書類に該当する場合、国税庁が定める所得税法や法人税法に則した電子帳簿保存法にも従う必要があります。

4-1-7.納品書と領収書を兼ねても大丈夫かどうか

当事者間での目的物の引渡しに関する取り決めによって、納品書と領収書をまとめられるかどうかが変わってきます。

ソフトウェア開発やサイト構築のように、納品してから入金されるまでに目的物の検収などの工程が入る場合は、納品書と領収書を同時に発行することはできません。

一方で、入金確認後に発送する様なケースでは、既に入金が済んでいるため、商品発送と同時に領収書を発行することができます。そのときには、納品書兼領収書という形で、1枚の書類にまとめることも可能です。

しかし、取引先によっては納品書と領収書を処理する部署が異なるため、別々での発行を依頼されることもあります。このときに、同じ納品書番号であれば2部作成し正副を付与することで対応できますが、連番で作成してしまうと2重発行になってしまうので、十分に注意する必要があります。

4-1-8.3枚納品書の使い方

3枚納品書は
・手書きで作成する複写式のタイプ
・ドットインパクトプリンタで発行するための連続用紙や連続帳票
・レーザープリンタやインクジェットプリンタ用のA4用紙が2~4面にミシン目によって分割されているタイプ
などの種類があります。

納品書と納品書控と請求書がセットになっているものや、納品書と納品書控と受領書がセットになっているものなど、組み合わせに関しても複数の種類があります。

自社や相手方での取り引きフローや用途によってどのパターンを選択するかというのは異なってきます。たとえば入金確認後に商品発送するという形であれば、請求書が含まれていないものを選択することになります。

また市販の汎用用紙ではなく、自社のロゴを入れたりタイトルを変更するなどオリジナルの納品書を作成することで、ブランドイメージの構築といったメリットを得ることができます。

4-1-9.商品を郵送するが、到着日が不明な場合の納品書の日付の書き方

商品を船便で出荷したり日付を指定せず遠隔地に出荷する場合など、事前に到着日を把握しておくのが難しいケースがあります。このときには納品書の日付はどのようにすればいいのでしょうか?この場合の納品書の日付の書き方は発行日を記載すれば問題ありません。

また検収終了後に検収書を発行しないと引渡しが完了しないという取り決めになっている場合は、納品書の日付よりも検収完了日に強い効力が生じます。特に請負契約の目的は、民法第632条により仕事を完成させることと規定されていますが、対象物の引渡しや検収が必要となるなどの特約が付随している場合には、完成させただけでは代金報酬支払義務が発生しないことになるので、注意が必要となります。

そのため、到着日が不明な場合、当事者間でどの時点をもって引渡しとするかを予め内容を決めておく必要があります。

4-2.納品書を受け取る側のQ&A

続いて、納品書を受け取る側のQ&Aについて解説します。

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4-2-1.納品書の保管期間について

納品書は所得税法や法人税法の保管義務対象の書類に該当するため、最長7年間の保管が義務付けられています。青色申告事業者は納品書を始めとする帳簿書類の保存義務を怠ると、青色申告事業者としての承認が取り消されることもありますので注意が必要です。

また白色申告事業者であったとしても記帳および帳簿書類を保存する必要があります。

4-2-2.納品書を紛失するとどういったリスクがあるのか

取引先とトラブルになった場合や税務調査が入った場合、訴訟になった場合などに、納品書は正当性を証明する重要書類となります。ただ、納品書を紛失すると、いつ、どこで、誰が、誰に、何を納品したのかを証明することができなくなってしまうため、これらの機能を果たすことができなくなります。

また納品書や領収書を紛失してしまうと、商品の保証を受けることができない場合があります。保証書の販売店欄が空欄の場合、納品書の発行日を商品購入日とすることで購入証明の役割を果たすことになるため、納品書を紛失すると有償保証になってしまうことが考えられます。

4-2-3.納品書を電子保存することができるかどうか

受領した紙の納品書はe-文書法によって、スキャナ等で取込み電子データとして保存することができると定められています。また電子取引によって、始めからデータとして納品書を受領した場合も、電子保存することが可能となります。

電子保存するための電磁的記録として、FDやCD-ROM、USBメモリなどが挙げられます。

国税関係帳簿に該当すると考えられる納品書は、電子帳簿保存法に則した保存が要求されます。納品書が国税関係帳簿に該当するかどうかは、納品書がどのように取り扱われているのかにより決まります。

たとえば、相手に商品を引き渡した時点で売上計上とすることになる到達基準を採用している場合は、納品書と納品書に押印された受領印が売上に関する書類として国税関係書類に該当することになります。

一方で、納品書が会社内部の決裁書類として使用されているなど、国税関係書類とはならない場合は、e-文書法に則した保存方法を選択することになります。

しかし納品書が直接的には国税関係書類とはならないものの、それを補完する意味や役割を持っている場合には、国税関係帳簿となるため注意が必要です。

また、納品書が国税関係書類に該当する場合は、電子保存するために税務署長の承認を得る必要があります。承認申請書を提出しても、すぐには承認がおりないため電子保存できるようになるまでは、一定期間が必要となります。通常では、電子保存しようとする3か月以上前に承認申請書を提出することになります。

たとえば事業年度開始の4月1日から電子保存を開始したい場合には、1月1日より前に提出する必要があります。

4-2-4.納品書を領収書の代わりとして利用することができるかどうか

納品書では、代金の支払状況に関してを把握することができないため、領収書の代わりとすることはできません。

ただし前払いや代引きのような形で購入した場合には、納品書を領収書の代わりとして使用することができます。

4-2-5.納品に不備があった場合の納品書の取り扱い方

納品内容に不備があった場合、納品書だけを修正すればよいという話に留まらず、売買契約や請負契約には瑕疵担保責任が発生します。

担保責任とは契約目的物に欠陥がある場合に売主や請負者が負う責任のことです。瑕疵とはあるべき機能が欠落している状態であるため、瑕疵担保責任とは購入した商品が欠陥品だった場合や納入したシステムにバグがあった場合に、買主が売主に契約解除権を請求したり注文者が請負者に瑕疵補修請求を行なうことができることをいいます。

ただし担保責任は特定物に関して発生するものであるため、独自に開発したシステムや中古車などが該当することになります。不特定物は同種の目的物が市場に流通しているため担保責任が問われることはなく、欠陥品であったとしても代替品を引き渡すことで契約上の義務を果たすことになります。

売買契約に関しては隠れた瑕疵に限定されているため、パッケージを開けてみないとわからない商品などが該当します。しかし一度でも通電させてしまったら返品不可である特約が付随している場合はその限りではありません。

納品自体は正しく履行されているけれど納品書に不備があったという場合、納品書を正す必要があるため再発行を依頼しましょう。特に納品書の日付は目的物引渡義務を果たしたことを証明し、同時履行の関係から報酬支払義務を果たしてもらうために必要な要件となります。

数量や金額が間違っている場合そのまま請求書として発行される可能性があるため、必ず修正してもらうようにしましょう。

4-2-6.納品書を請求することができるかどうか

民法第486条で受領証書の交付請求として、「弁済をした者は、弁済を受領した者に対して受取証書の交付を請求することができる。」と規定されています。

弁済とは義務を果たすことであるため、売買契約における売主の義務は商品を引き渡すことであり、買主の義務は代金を支払うことになります。売主買主ともに果たすべき義務があり、それぞれの義務を果たしたときに受取証書を請求することができます。

したがって販売者が購入者に商品を引き渡したときに、購入者に受領書を請求することができ、購入者が販売者に代金を支払ったときに、販売者に領収書を請求することができるのです。つまり納品書に関しては発行が義務付けられていないと解釈することができます。

また、あらかじめ納品書発行を行わないという特約を規定したうえで、発行しない措置をとることは違法とはなりません。

4-2-7.納品書を受け取った後にしなければならないこと・した方がいいこと

納品書を受領し、納品物との確認がとれたときに無事に引渡しが完了したということを意味するため、受領書や納品書控えを返信することで、相手方の引渡し義務がすでに完了しているということを通知することになります。

納品書と受領書または納品書控えのやり取りを行なうことで、当事者双方が引渡しについて了承したということになり、売主や請負者から請求書が発行されるという流れになります。

また相手によっては、受領書や納品書控えを返信しないと請求書が発行できない、ということが起こるケースも考えられます。受領書などの形で返信する必要があるかどうかを、念のため事前に相手方に確認しておくと、その後の請求手続きをスムーズに行えるようになります。

5.まとめ

以上で納品書に関して、その法律面での位置づけ、発行する目的、書き方、発行手続きに関すること、請求書や見積書のような他の書類との違いなどの面からご紹介しました。ご紹介してきたように納品書は、商品やサービスの受け渡しを行った際に、一緒に受け取り側に渡されることになる書類のことで、その取引に関する明細が記載されています。

ぜひ、納品書を作成する必要が発生した、納品書に関することを知りたくなった、納品書の書き方がよくわからない、などのときにはご参照ください。

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